Nodame Cantabile

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2.Concours d'entrée 入学試験

 前回、コンセルヴァトワールについて書きましたので、いよいよ本題。のだめの入学試験についてです。

※のだめの通うパリのコンセルヴァトワールは以下「CNSMDP」とします。

 CNSMDPはフランスにおける音楽・演劇・ダンス教育の最高教育機関です。入学試験も厳しいものとなっており、様々な制限もあります。
 ここでは、のだめの受験したピアノ科を中心に見て行きたいと思います。取り上げているのは2006年秋入学の受験要項です。


■入学資格
 受験するのに年齢制限があります。
 ピアノ科(ヴァイオリン、チェロ、フルート、ハープも同様)は最も年齢制限が厳しい科で、2006年10月1日(つまり入学日)時点で22歳以下であることが条件です。下限は特に明記されていません。
 また、入試は3回までしか受けられません。(他の学科も含めて4回まで)

 …となると。のだめの場合、大学4年終了後に渡仏していて、誕生日は9月なので、入学時点では23歳となり、年齢制限にひっかかってしまうのですよ。外国人留学生については、年齢は多少は考慮してくれるらしい(と、どこかに書かれていた)ので、そこはなんとかなったのでしょう。たった1ヶ月だし、オクレール先生の口添えもあったのではと推測されます。

  また、語学力についても制限があります。
 入試に合格し、学校に登録するときに、欧州評議会で設定されている語学レベルでA2以上であることを示すフランス政府公認機関発行の証明書を提出しなければなりません。これは、2006年の入試から必要になったもの(去年の要項にはなかったはず)です。この背景には、2005年から厳しくなった学生ビザ申請にも絡んでいるのではないかと推測されます。
  A2とはどの程度のレベルかというと、初級〜中級。日本でメジャーなフランス語検定(仏検)3級レベル。これは、大学の仏語専攻で丸1年勉強して取れるくらいのレベルです。結構難しいです。
 この欧州評議会のレベルに合致した資格として、フランス語圏共通のDELF、DALFというものがありますが、これのA2レベルの試験は仏検3級よりももっと難しいです。
 のだめのように、ABCから始めて3ヶ月でこのレベルになるのはよっぽどの語学の天才じゃないと無理なんじゃ…… プリごろ太でマスターできるか!?
※どんなレベルかは、こちらをご参照ください。DELF/DALF試験レベル表


■入学試験 Concours d'entrée 
 入学資格はクリアしているとして、本題の入学試験について。
※ちなみに、「concours」とは、「合格人数の制限のある試験、選抜試験」の意。普通のテストは「examen」と言います。

(1)出願
 受験をしようとしたら、まず決められた期間で願書を取り寄せます。取り寄せは2005年10月10日〜11月10日の1ヶ月間。電話、インターネット、手紙で請求できます。
 続いて、その願書に記入して返送します。締め切りは12月10日。
 この2ヶ月で出願は終わりです。結構日程が詰まっているので、日本からの出願の場合は迅速な対応が必要ですね。

  願書が受領されると、確認書が返送されます。そして、試験の数日前までに試験の召喚状(Convocation)が届きます。

(2)一次試験 Epreuve éliminatoire de Formation musicale :2006年2月7〜10日
 まずは一次試験。これをパスしないと実技に進めません。のだめ、大丈夫か!?
試験内容は、
 a)筆記:聴音、調とカデンツの知識を問う問題
 b)口述:lecture rythmique et lecture chantéeと書かれているのですが、
     ソルフェージュのことのようです。
     音階とあとはリズム(rythmique)を問われるものがあるのでしょうか。

うーん、耳がいいから大丈夫だろうけど、それをフランス語で知っているかどうかが疑問ですね。

(3)二次試験Admissibilité :2006年2月13〜18日
 いよいよ実技です。ここまで来たらのだめなら大丈夫だと思うのですが…ね?
 二次試験の課題は、
 a)バッハの平均律1・2巻またはショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガより
  フーガを1曲(前奏曲は除く)
 b)エチュード2曲。うち1つはショパン、もう1つはそれ以外の作曲家
 c)自由選択の曲2曲。1つは古典またはロマン派、もう一つは近・現代曲
 ※bとcは当日いずれか1曲を指定されます。

マラドーナコンクールでやっていた曲で対応できそうですね。
aは二次で弾いたバッハの平均律2巻16番。bは同じく二次のショパンop10-4とリストの「鬼火」。
cはなんだろう・・・一次でのシューベルトでも「喜びの島」でも。
エチュード2曲はコンクールではさんざんだったけど、でも今はあのときと違って前向きな気分だから、大丈夫かな、と。

(4)最終試験 Admission:2006年2月21〜23日
 ここまで来たら、あともう一息。
 最終試験の課題は、
 a)初見1曲
 b)課題曲1曲(試験の2ヶ月前に掲示・インターネットで発表)
   今回の課題は、ベートーヴェン ソナタヘ長調op.54またはドビュッシー映像第1集の「動き」

  最大の難関はこれでしょうね。試験までの1ヶ月で完成しなければならない。がんばれのだめー!!

  最終試験に合格すると、晴れて入学可能になります。
 丸1ヶ月の試験。長いですねえ…その間、日本にいた千秋は気が気じゃなかったでしょうw


■入学
 フランスでは日本のような入学式がありません。ちょっと拍子抜け。
授業が始まる前に、学校から個別に呼び出しがあり、登録など諸手続を済ます形になります。
 また、音楽系新入生は授業開始日の朝に集合するようになっています。だいちあ9月中旬、2005年度は9月15日が授業初日でした。


■授業料
授業料(というか、登録料)は2005年度は400ユーロ(約60000円)と、社会保険料(Sécurité Sociale)186ユーロ(約28000円)。
※1ユーロ=150円で計算

信じられない安さですね・・・。ほんと、うらやましい。本気で勉強したい人はフランス留学をお勧めしたいくらいです。私も学部留学したかった・・・。
のだめの場合も、安心して学校に通えそうです。

初出:2006.1.15

1.コンセルヴァトワールとは
3.コンヴァト生活

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